ミネアポリス高速道路崩落事故は、2007年8月、
米国ミネソタ州ミネアポリス市にある州間高速道路35号西線ミシシッピ川橋梁が突如崩壊、
多数の死傷者が出た事故です。
その後連邦当局の調査により、事故原因のひとつとして
「鳩の糞」による鉄骨の腐食の可能性があると発表されました。
事故の概要
2007年8月1日午後6時5分、夕刻の通勤ラッシュ時に、ミネソタ州州都セントポールと同州最大の都市ミネアポリス間のミシシッピ川に架っていた高速道路35号線・ミシシッピ川橋が、突如多数の車両を載せたまま、橋全体が一瞬にして崩落する事故が発生。
少なくとも車60台が転落し、9人が死亡、4人が行方不明、100人以上が負傷する大惨事となりました。
事故までの経緯
ミネソタ州連邦政府の当局者は、ミネアポリスの橋崩落事故は、橋桁などに堆積したハトの糞が鉄骨を腐食させ、崩落の原因となった可能性が高いと発表しました。
崩落する約20年前、87~89年の連邦当局検査官の当時の報告書には「橋の鉄骨部がハトの糞に覆われており、内側にも多く堆積している」と記されております。
さらに、その後の検査で橋の接合部周辺に疲労亀裂と腐食が見つかり、以後は毎年のように点検と修復作業を続けていました。
96年には橋桁の一部を防鳥ネットで覆うなどの措置をしましたが、 抜本的な効果には至らなかったようです。
ハトの糞にはアンモニアと酸が多く含まれており、乾燥したあと水と混ざると化学反応を引き起こし鉄を腐食させます。 本来、鳥類の糞は酸性が強く、なかでも海鳥などは魚を骨ごと消化させるほど強い酸性度をもっているのです。
事故原因と日本の危険性
橋崩落事故の原因は、構造物自体の老朽化もあり更に放置された鳩の糞の堆積が鉄骨の腐食や劣化を促進させて、このような大惨事に至ったと言えます。
これらの危険性は、アメリカ以上に日本のほうが深刻です。
日本には、築50年以上を経て老朽化の進んだ高速道路や陸橋・歩道橋が数千件も確認されています。 また、それらが崩落する可能性は高く、現に年間数10件の事故が発生しているのです。
現に当社においても高速道路や陸橋への鳥害対策工事が毎年のように行われています。
鳩1匹は1日約30gの糞をするされており、単純計算で100羽の鳩がいれば、年間1トンもの糞が堆積することに!