近年、公共施設や倉庫などを中心に
求められることが増えてきた《難燃性》のネットですが、
まだまだ難燃性ネットに対しての誤解も多いようです。
そこで全3回のシリーズで難燃性ネットについて
必要な知識をご紹介してまいります。
『この難燃性ネットは燃えませんか?』
難燃性ネットを扱っていると頻繁にいただくのが、このようなご質問。
もちろん難燃性ネットは火を付ければ燃えます。ただ添加された難燃剤により自己消火性があり、火元がなくなれば火は消えます。そのため火災の延焼を防ぐことができる、といった特徴のネットです。
そもそもこのような疑問を招くのは【難燃・防炎・不燃】といった、似た様な用語があるからではないでしょうか。
【難燃・防炎・不燃】はどれも別の意味
【難燃・防炎・不燃】混同しやすいこの3つの言葉。取扱い側もよく理解せずに言葉を使っているところもあるほどです。違いをひとつずつ確認していきましょう。
難燃とは
まず【難燃】は、原材料に難燃剤を添加するなどして燃えにくい性質を備えた素材で紡糸された仕様といいます。表示上は《難燃繊維》と記載されています。
防炎とは
次に【防炎】は可燃性の繊維等に難燃剤を付着加工させ、燃えにくくした仕様です。表示も《防炎加工》と使い分けがされています。消防士の服などは防炎仕様です。
不燃とは
最後に【不燃】。これは字のごとく燃えない仕様をいいます。不燃石こうボードなどがイメージしやすいですね。ポリエチレンなどの石油系繊維のネットではありえない表示といえます。
以上がシリーズ1回目《難燃・防炎・不燃の違い》となります。
2回目はとても重要な《日本防炎協会認定の有無》、3回目には《難燃性ネットのデメリット》について展開してまいります。
防炎製品が「燃え抜けて火災が広がらない」のに対して、
難燃材料は「建築基準法で定められた技術基準を満たしたもの」です。
いずれも不燃(燃えない)ではないことに注意が必要です。