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日本のコウモリの種類 主な6種の特徴をご紹介!

日本のコウモリの種類 主な6種の特徴をご紹介!

世界には約960種類のコウモリが生息。
日本でも35種類(分類法により変動)が確認されています。
意外に多くの種類が日本にもいますが、普段私たちが飛んでいるのを見たり、
家に住み着いたりするのはアブラコウモリがほとんど。
コウモリは鳥類ではなく哺乳類ですが、糞害などもあることから題材にしました。
謎に満ちたコウモリたちを6種ピックアップしてご紹介してまいります。

アメリカンコミックのバッドマンは正義のヒーローですが
SARSや新型コロナ騒動では、ウイルスの感染源ではないかと悪者扱いされたりしています。
また昔の日本ではコウモリは幸運の象徴として「幸守り」や「幸盛り」と呼ばれ親しまれた時代もありました。
その奇異な見た目や生態から、一般に親しまれる対象の動物ではありませんが、虫などを食べてくれる益獣でもあります。
そんなコウモリも、最近は見る機会が少なくなりましたが、これを機にコウモリの種類や生態について学んでみましょう。
この記事で紹介するのはアブラコウモリオガサワラオオコウモリカグラコウモリニホンウサギコウモリキクガシラコウモリオヒキコウモリの6種類です。

《アブラコウモリ》

アブラコウモリ

アブラコウモリの生態

コウモリ亜目ヒナコウモリ科アブラコウモリ属。漢字表記は〈油蝙蝠〉
市街地で見かけるコウモリのほとんどがアブラコウモリで、私たちの生活範囲内で最も身近な場所に生息しています。
日本では唯一家をすみかにする種類で、別名イエコウモリとも呼ばれます。
身体が小さく、運動能力も高いため、1.5cmほどのわずかなすき間でも屋内に侵入することができます。
そのため物理的に侵入を防ぐには10mm以下のネットや金網が望ましいとされます。
夜行性で日没後10~30分後に公園、農地、河川、ため池など開けた場所で採餌します。
蛾やハエ、カメムシやハチ類などを捕食する食虫性なので、益獣としての一面もあります。

アブラコウモリの特徴

・生息地:本州~九州、琉球列島などに分布
・体長:頭胴長40~60mm、前腕長30~37mm、尾長30~45mm
・体重:5~10g
・ねぐら:主に家屋をねぐらにし、都市部では倉庫や鉄道、橋の下などにも住み着きます。
・鳴き声:『チッチッチッ』『キッキッキッ』という鳴き声
・見分け方:体毛が少い小型のコウモリ
・羽毛:腹面が灰褐色、背面が灰色がかったオリーブ色
・寿命:オス3年、メス5年

 

《オガサワラオオコウモリ》

オガサワラオオコウモリ

オガサワラオオコウモリの生態

コウモリ目オオコウモリ科オオコウモリ属。漢字表記は〈小笠原大蝙蝠〉
小笠原諸島や南西諸島にしか生息せず、絶滅寸前のコウモリで国の天然記念物です。
見た目から空飛ぶキツネ(Flying Fox)、食性からフルーツコウモリ(Fruits Bat)とも呼ばれ、日本に生息するコウモリの中では最も大型の種類です。食性は植物食でヤシ類の葉やグアバ・バナナなどの果実などを食べ、 夜行性で昼間は樹上にぶら下がり休んでいます。

オガサワラオオコウモリの特徴

・生息地:小笠原諸島に分布
・体長:前腕長120~145mm、頭胴長200~280mm
・体重:250~600g
・ねぐら:樹木の枝にぶら下がって休息・休眠します
・鳴き声:『チッチ・チーチー』という鳴き声
・見分け方:有視界飛行をするので目が大きく耳は小さい
・羽毛:全身は暗褐色で、背や腰・胸部・腹部に光沢のある灰白色の体毛が混じる

 

《カグラコウモリ》

カグラコウモリ

画像引用:Okinawa_kaeru.netより

カグラコウモリの生態

コウモリ目カグラコウモリ科カグラコウモリ属。漢字表記は〈神楽蝙蝠〉
日本国内では八重山諸島に分布している、唯一の熱帯系のコウモリです。
昼間は洞窟などに生息し、1,000頭を超える大集団をつくることもあります。
長い間固有種だと考えられていましたが、近年タイにも生息していることが判明しました。
最大の特徴と言えばその顔で鼻の部分がひだ状に広がっており、数あるコウモリの中でもお世辞にも可愛いとは言いがたい顔をしています。
その鼻の形が神楽のお面に似ていることからカグラコウモリという和名がつきました。

カグラコウモリの特徴

・生息地:八重山諸島(石垣島、西表島、与那国島、波照間島)
・体長:前腕長65~72mm、頭胴長68~90mm、尾長40~55mm
・体重:25~32g
・ねぐら:洞窟性ですが植物のつるや枝、人家の軒先もねぐらに利用します
・鳴き声: 「チチチチ…チチチチ…」
・見分け方:鼻の部分が神楽の面のようにひだ状に広がっている
・羽毛:体毛が長く体上面は黄褐色、体下面は濃いセピア色

 

《ニホンウサギコウモリ》

ニホンウサギコウモリ

ニホンウサギコウモリの生態

コウモリ目ヒナコウモリ科ウサギコウモリ属。漢字表記は〈日本兎蝙蝠〉
大きく折れ曲がった長い耳が特徴なので他種との識別は簡単。
採餌の際は大きな耳を伸ばし、前傾姿勢で地表や樹幹に潜む昆虫などをホバリングしながら捕獲
そのあと他の場所に運んでから食べます。
また、飛ぶ早さが他の種のコウモリに比べて遅いのも特徴。
営巣できる樹木が減少したことなどにより一時は絶滅危惧種に認定されましたが、現在はランク外に。

ニホンウサギコウモリの特徴

・生息地:北海道・本州(中国地方を除く)に分布
・体長:前腕長40~45mm、頭胴長45~56mm、尾長41~47mm
・体重:体重7~13g
・ねぐら:森林の樹洞や洞窟など
・鳴き声:『キッ・キッ・キッ』という鳴き声
・見分け方:大きな耳は38~40㎜もあり他のコウモリと大きく違います
・羽毛:薄茶または灰褐色

 

《キクガシラコウモリ》

キクガシラコウモリ

キクガシラコウモリの生態

コウモリ目キクガシラコウモリ科キクガシラコウモリ属。漢字表記は〈菊頭蝙蝠〉
昼間は洞穴やトンネル、家屋などに数頭~数百頭の群で休息します。
夜間になると単独で飛翔し森林や森林に隣接した河川、草原、平地などの採餌場所に行き、
低空をゆっくりと飛行しながら蛾や、ゲンゴロウ、コガネムシなどの甲虫から蝉やアブなどの大きい昆虫を捕食します。
2002年から2003年に掛けて集団発生したSARSに極めて似たコロナウィルスが中国のキクガシラコウモリから検出され、自然の宿主であるという由来説の有力な証拠とされた悪名高きコウモリ。

キクガシラコウモリの特徴

・生息地:北海道~九州まで広く分布している
・体長:頭胴長53~82mm、前腕長52~65mm、尾長28~45mm
・体重:17~35g
・ねぐら:洞窟性で廃坑や隧道が主、家屋などもねぐらとして利用します
・鳴き声: 超音波のような鳴き声
・見分け方:鼻が菊の花に似ていることからキクガシラコウモリという和名がつきました
・羽毛:茶褐色をしています。

 

 

《オヒキコウモリ》

オヒキコウモリ

画像引用:広島市安佐動物公園ブログより

オヒキコウモリの生態

コウモリ亜目ヒナコウモリ科。漢字表記は〈尾引蝙蝠〉
日本に生息する食虫性のコウモリの中では最も大型の種類。(オオコウモリは植物食)
その名の通り尾が長く、尾を引きずって歩く姿からこの名前がつきました。
一方、飛行能力が高く、飛ぶスピードは時速約160㎞に達するといわれています。
日本の各地で確認はされていますが、絶対数が少なく研究も進んでいない絶滅危惧種です。

オヒキコウモリの特徴

・生息地:北海道から九州まで広範囲に分布
・大きさ:前腕長57~66mm、頭胴長81~94mm、尾長46~58mm
・体重:30~40g
・ねぐら:岸壁の隙間や城の石垣、コンクリートの裂け目などをねぐらにします
・鳴き声:『チッ・チッ・チッ』という鳴き声。人にも聞こえる場合がある。
・見分け方:耳が大きく丸みをおび尾がとても長い
・羽毛:こげ茶色

いかがでしたか?正直、あまり可愛らしさを感じる見た目とは違いますが
それぞれ個性的な特徴をもっているのに興味を引かれますね。
一方で、いまアブラコウモリ(イエコウモリ)による糞害が増加しているので
今度はコウモリ対策についてもご紹介したいと思います。

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