2003年に韓国で広範囲に鳥の感染が確認され、大きな話題となった鳥インフルエンザ。
大量のニワトリが死に、担当者が防疫処置をする、
ものものしい姿が報道されたのを覚えてらっしゃる方も多いと思います。
今回は、全3回のシリーズで鳥インフルエンザについて
知っておきたい情報をご紹介していきます。
鳥インフルエンザってどんな病気?
鳥類に発生するインフルエンザは「鳥インフルエンザ」と呼ばれ、ヒトのインフルエンザ(A型、B型、C型があります)とは異なり、A型ウイルスのみに感染して起こる病気です。
A型インフルエンザウイルスは、ヒトを含むほ乳類や鳥類に広く分布していますが、もともとはカモやガチョウなどの水鳥を中心とした鳥類が起源と考えられており、カモは、現在知られている135種類すべてのA 型インフルエンザウイルスを保有しています。
カモにとっては安全なウイルス
カモ類などの水禽類は、通常鳥インフルエンザウイルスを腸内に保有して共存しているため、感染しても症状はありません。鳥インフルエンザがニワトリなど家畜に感染し、高密度な飼育の中で急速に感染を繰り返すうち、高率に死亡するような病原性が高いウイルスに変異したものを「高病原性鳥インフルエンザ」といいます。
養鶏業界に甚大な被害をもたらす、鳥インフルエンザの猛威
ニワトリなどの家畜が鳥インフルエンザにかかると、ニワトリからニワトリへ次々にうつり、多くが死んでしまいます。流行を止めるためには、発生農場内のすべてのニワトリを速やかに殺処分し、死体を埋却したり焼却する必要があります。発生農場内の物品も焼却、埋却、または消毒し、鶏舎も消毒しなくてはいけません。そのため、世界中の養鶏産業にとっては鳥インフルエンザは大きな脅威となっているのです。
以上がシリーズ1回目《鳥インフルエンザってどんな病気?》となります。
2回目はさらに詳しく《鳥インフルエンザはヒトに移るの?》、3回目には今後の鳥インフルエンザの流行について《まだ終わっていない!鳥インフルエンザの脅威》と解説していきます。
鳥インフルエンザウイルスは、カモにとっては共存できるウイルスでも、
ニワトリにうつると大変危険な病原菌ということですね。
そのため養鶏農家や養鶏関係者の方々は、
日々感染を防ぐための様々な対策を講じています。