鳥インフルエンザについて2回目となる今回は、本来は鳥の間で循環しているインフルエンザが、どのようにヒトに感染して病気を引き起こすかについてご紹介していきます。
鳥インフルエンザはヒトに移るの?
鳥インフルエンザと聞いてやはり気になるのが、鳥だけでなくヒトにも感染して発症するのか、ということ。
一般的に、ヒトの腸管には鳥インフルエンザウイルスの受容体(受け皿)が無いため、鳥インフルエンザウイルスは通常ヒトには感染しません。しかし、感染した鳥に触れるなど濃厚接触をした場合、極めてまれに感染することがあります。また、ヒトからヒトへの感染はほとんどありませんが、インドネシア・ベトナムなどで、鳥インフルエンザ A(H5N1)に感染した子供を看病した家族など、遺伝形質が近縁な親族内での感染例が報告されています。
もし鳥インフルエンザに感染したら
感染した場合、1~10日潜伏期間があった後、高熱、咳などの症状を示します。急激に全身の臓器が異常な状態になり、死亡することもあるため、発病早期に抗インフルエンザ薬による治療や症状に応じた治療を行わなくてはいけません。
鶏肉や鶏卵を食べても安全なの?
日本では、高病原性鳥インフルエンザが発生した場合、鳥での感染拡大防止のため、殺処分、焼却、埋却、消毒等の防疫処置が行われ、市場に出回ることはありません。万が一、市場に出回りそれを食べたとしても、鳥インフルエンザウイルスは加熱すれば感染性がなくなるため、十分に加熱して食べれば感染の心配はないとされています。また、鶏肉や鶏卵を食べることによってヒトに感染したという事例の報告はありません。
以上がシリーズ2回目《鳥インフルエンザはヒトに移るの?》となります。3回目には今後の鳥インフルエンザの流行について《まだ終わっていない!鳥インフルエンザの脅威》と展開していきます。シリーズ1回目《鳥インフルエンザってどんな病気?》もぜひご覧ください。
鳥インフルエンザウイルスについては、今もウイルスの変異が進んでいます。
日本ではヒトへの感染の前例がないとはいえ、油断は禁物です。
野鳥から検出されるケースもあるので、野鳥の糞や死骸に素手で触れたり、
一般の人が養鶏場に頻繁に立ち入ったりしないようにしましょう。