鳥はできるだけ身体を軽くして飛ぶために、いたるところで糞をします。糞による感染症や病原菌などについては、インターネットなどで多くの情報が得られますが、1羽あたりの排泄量などについては、あまり知られていません。もし100羽の鳩がいたら… 想像を絶する量になることが判明しました!
大食漢の鳩はフンの量も多い!
最近まで、世界を問わず公園などでは子供から大人までが鳩と触れ合って楽しんでいました。
その光景は、平和の象徴でもある鳩にふさわしい都市景観の一部でもありました。
しかし、いまでは鳩は「空飛ぶネズミ」などと蔑称され、嫌われ者となっています。
その最大の理由は、多くの病原菌をもつ糞にあります。
通常、野生の鳩(ドバト)は、 20羽以上の群れを形成して集団で生息しています。
鳩は体重の10分の1程度の食事をします。その糞の量は水分も含め一日あたり約30g、1年間では約10kg。
これが100羽の集団になると年間では1トンちかい量となります。
これらが堆積・飛散することにより施設や建物はじめ人的な被害を与えますが、昔はこの鳩の糞を集めて肥料にしていた国もあったのです。
鳩の塔 ピジョンタワー〈PIGEON TOWER〉
ピジョンタワー(鳩の塔)は、野生のハトのために建てられた構造物で、草原の中に建てられています。
その目的は鳩の糞を集めるためで、一部の塔では最大10,000羽の鳩を収容することできます。
エジプトでは食用ハトの飼育のために利用されています。
一般的に塔の基本設計は円錐形で泥レンガで作られ、最上部にはハトが自由に出入りできる穴が開けられています。
塔の内部は、営巣のための棚が作られています。
糞は1年に1回かき集められ、メロン、小麦生産の栽培の肥料として農家や果樹園に売っていました。
ペルシャ のような乾燥した薄い土壌の土地では、ピジョンタワーから得られる鳩の糞は農作物の栽培には欠かせない貴重なものだったのです。
生態数や糞害をコントロールするためのピジョンロフト〈PIGEON LOFT〉についてはこちらの記事でご紹介しています。
鳥害対策会社として鳩のフン害は深刻であると知ってはいましたが、今回この記事を書く上で調べてみて、あらためてその量に驚かされました。多くの鳥害現場では鳩の1集団/20~30羽ほどが対象となりますが、それでも約200~300kg!施工前の清掃作業が大変なのも納得です。