見るものを魅了する美しい容姿のカチガラス。
日本ではそのほとんどが佐賀平野を中心とした狭い範囲に生息しています。
近年では北海道の一部でも生息が確認されています。
中国語では「喜鵲」と書き、その名の通り
喜びとよい兆しを表す幸運の鳥として人気だそう。
カチガラス・生息地は国の天然記念物に指定
答えは、カチガラス (コウライガラス、カササギ) です。
別名ではサギとついていますがカラス科の鳥で、多くは北半球に分布しています。
ところが、何故か日本では佐賀平野を中心とした限られた範囲に生息しています。
カチガラスの生態
ハシブトカラスなどに比べてひと回り小ぶりの美しい鳥で、 「佐賀県の県鳥」 であり、 「韓国の国鳥」 でもあります。一般的にはカササギといいますが、「カチカチ」という鳴声から、佐賀では「カチガラス」と呼ばれ県民に親しまれています。
なお福岡県と佐賀県の「カササギ生息地」が、生息地を定めた国の天然記念物に指定されています。
カチガラスの由来
一説では、豊臣秀吉の「文禄・慶長の役」で朝鮮に出兵した鍋島藩主が「カチ・カチ・カチ」と鳴くこの鳥を見て縁起が良いと持ち帰り、保護したのがこの鳥の伝来という説もありますが、明確な証拠はありません。
筆者自身、以前九州を旅して佐賀市の祐徳稲荷神社に参拝したとき、樹木や電線に止まっているこの鳥を見て、カラスとは思えないあまりの美しさに驚いた記憶があります。
鳥害事業に関与している私たちにとって、ハトに次いでカラスは忌避対象の鳥ですが、ハシブトガラス・ハシボソガラス以外のカラスのことはあまり知られていません。
番外編:ミヤマガラスの大群が佐賀に襲来!
一方で、数年前より佐賀市の中心部に大群で押し寄せ、糞や臭いで地域住民を悩ませている鳥がいます。
その犯人は「カチガラス」ではなく1万羽を超す「ミヤマガラス」で、中国から朝鮮半島経由で飛来するとされています。
対策に困り果てている佐賀市
ミヤマガラスは群れで行動し、昼間は郊外の田畑でエサを食べ、夕刻になると市街地に戻り電線や木を塒(ねぐら)にします。そのせいで、市街地一帯はまさにカラスの森と化し、路上は歩行者が歩けないくらい大量の糞が落ちています。
地元の専門家は、その理由について「県庁近くには神社や公園があり、カラスが身を隠せる樹木が多いからではないか?」と推測しています。
県としても、市内各所に捕獲箱を設置したり、街路樹の剪定作業をしてきましたが、効果が薄く、抜本的な対策には至らないまま、ミヤマガラスとの知恵比べが続いています。
他の記事でも取上げましたが日本に生息する7種のカラスのうち、
今回はカチガラスとミヤマガラスについてご紹介してきました。
同じカラスでも人気、不人気があって、なんだか可愛そうな気もします。
今後、またさらに違う種類のカラスについてもご紹介していきます!