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こんなに怖い!コウモリと狂犬病ウィルス

こんなに怖い!コウモリと狂犬病ウィルス

2019年7月13日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州
パークスビル市に住むの21歳の青年が
仕事帰りの運転中にコウモリと接触し、感染した狂犬病ウイルスが原因で亡くなりました。
今回は、コウモリと恐ろしいウイルス感染症についてご紹介します。

コウモリから狂犬病に感染し死亡した青年

ドライブ中にコウモリと接触

ブリティッシュコロンビア州バンクーバー在住のその青年は、テコンドーのインストラクターをしており、街の誰からも慕われる存在でした。
2019年5月、バンクーバー島からの運転中、道路脇に車を止めていた際にいきなり車内に小さなコウモリが飛び込んできて彼の手に接触しました。
しかし、彼は痛みも何も感じず、そのまま運転を続けて何事もなく帰宅しました。

数日後、彼は手に痛みや痺れなどを感じ、病院に行きましたが、診察した医者の話によると彼の手には目に見えるような咬傷や擦り傷痕はありませんでした。
なぜなら、コウモリによる咬み傷は非常に浅くて小さく顕微鏡レベル、咬まれても気づかないことすらあるそうです。
しかし、この傷が彼に深刻な事態をもたらします。

狂犬病を発症

コウモリと接触してから6週間後、彼に狂犬病ウイルスの症状が出ました。
彼はバンクーバーの病院の集中治療室に収容され、そこで医師達は彼の脳及び脊髄に生じた浮腫に対して治療を行ないましたが、 治療のかいなく7月に死亡しました。
青年の死亡は、2003 年にカナダ保健省が狂犬病関連の報告を追跡調査し始めて以来、同州では2番目の狂犬病での死者となりました。
この不幸な事件を機に、ブリティッシュコロンビア州では、コウモリや他の野生動物との接触した人は、接触箇所を石鹸などで徹底的に洗浄した後、医療機関に受診し、狂犬病ワクチンを接種することを積極的に勧めています。

狂犬病とは

狂犬病は、高度な医療が確立した現在も全世界で年間5万人以上が命を落とす、極めて危険なウイルス性の人獣共通感染症です。
世界中の150以上の国々が狂犬病流行国ですが、主に、アジアとアフリカで発生しています。
狂犬病ウイルスは一般的に感染動物の唾液に含まれます
感染動物に咬まれたり、引っかかれたり、傷口、目や口の粘膜をなめられたりして体内に侵入することで広がります。
感染部位から侵入した狂犬病ウイルスは体内で増殖し、末梢神経、脊髄、脳まで移行します。
そのため、発症するまでの潜伏期間は1か月~3か月といわれています。時には何カ月もかかることもあります。
しかし、ひとたび発病し症状が現れ始めると、有効な治療法がないためほぼ100 %死亡します。
発病する前に狂犬病ウイルス感染の有無を知る手段がなく、症状が出る前に診断することが極めて困難なのです。

野生動物と狂犬病

狂犬病はイヌだけの病気ではなく、ヒトを含めた全ての哺乳類から感染する可能性があります。
狂犬病ウイルスの感染源動物は、発展途上国では主にイヌや吸血コウモリ(中南米)で、
ヒトの狂犬病はアジア、アフリカでの発生が大部分で、99%が狂犬病のイヌから感染しています。
しかし、先進国では野生動物が多く、北米では特にアライグマ、スカンク、キツネ、食虫コウモリ、ヨーロッパではアカギツネが中心になっています。
コウモリが感染源と考えられるヒトの狂犬病は、南北アメリカ、オーストラリア、それにイギリスでも報告されています。

彼を死に至らしめた小さな茶色のコウモリは「リトル・ブラウン・バット」 と呼ばれ、ネズミの耳を持つ小型のホオヒゲコウモリの一種で、体重は約8グラムしかありません。
北米などで見られる微小コウモリの一種で、身体全体が艶やかな茶色の毛で覆われています。
平均寿命は5~6年くらいで、昼間は樹洞や岩の割れ目などをねぐらとしています。

世界各地でも吸血コウモリによる被害が

ブラジルで吸血コウモリに咬まれた男性 狂犬病で死亡

2017年6月、ブラジル北東部の港町サルバドルで、高齢者や子供が吸血コウモリによる被害が相次ぎ、狂犬病を発症した男性が死亡しました。
研究者によると、この吸血コウモリ「ナミチスイコウモリ」は最近まで、ニワトリや野鳥をエサにし、ヒトを含む哺乳類を吸血することはないとみられていましたが、この年3月以降すでに40人が吸血コウモリにかまれる被害にあっており、地元の人々は狂犬病感染の恐怖でパニックとなりました。
事態は東部沿岸地帯の人口が密集している旧市街地にも飛び火しており、保健衛生当局は非常事態宣言を発令
野外での就寝を控え、吸血コウモリの家屋への侵入を防ぐこと、かまれた際にはすぐに医師の診察を受け狂犬病ワクチンの接種をするよう呼びかけました。

南米・ペルーで吸血コウモリに咬まれ12人が死亡

2016年2月、南米ペルーで北部の先住民が暮らす密林の村で、吸血性のナミチスイコウモリに咬まれて狂犬病ウイルスに感染する被害が相次ぎ、子供12人が亡くなりました。
死者が出たのは首都リマから北に1100キロ離れたアマゾン密林にある先住民族が住む2つの村。
子供たちは最初は足の裏に痛みが出て、その後、発熱とけいれんを引き起こしたと言います。
亡くなった子供たちは全員、吸血コウモリにかまれた後で死亡しており、症状と診断結果から狂犬病に感染していたことが確認されました。
村の長老たちは当初、「子供たちが死んだのは魔術にかかったから」と考え保健当局に届け出をせず、対応が遅れたということです。
事態を受け、政府は現地に迅速な医療支援を行うため、衛生緊急事態を宣言しました。

日本でコウモリから狂犬病感染の危険は?

日本国内では撲滅

日本では、1950年に狂犬病予防法が施行され、犬に年2回のワクチン接種が義務付けられたところ、1956年の発生を最後に、今日まで狂犬病の国内発生を許していません(1970年にネパールで犬に咬傷を受け、帰国後発病死した1件を除く)。
そのため、日本でコウモリから狂犬病ウイルスが見つかる確率は低いと考えられます。
また、1000種類近く生息するコウモリのなかで、新鮮な血液を餌とする吸血コウモリはわずかに3種類で、日本には生息していません。

不要な接触は避けて

日本では、今のところ狂犬病をはじめとするいずれの感染症についても、コウモリからヒトにうつったとする確実な報告はまだありません。
ですので、今回のような悲惨な出来事が日本で起こる可能性は限りなく低いとみてよいでしょう。
しかし、感染症予防の観点からも、コウモリを個人で駆除しようと捕獲したり、素手でさわったりすることはもちろん、輸入された珍しいコウモリをペットとして飼育するなどの不要な接触は避けましょう。

ウイルスの自然宿主としてのコウモリ

今回の事件がコウモリによるウィルス感染だったように、コウモリは狂犬病のほかにもさまざまな人獣共通感染症の感染源となっています。
例えば、リッサウイルス感染症、ニパウイルス感染症、ヘンドラウイルス感染症、日本脳炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)や、現在猛威を振るっているCOVID-19も含まれます。

なぜコウモリはウイルスの感染源に?

コウモリの特徴は種類の多さ。地球上に生息する哺乳類のうち約20%をコウモリが占め、その種類は約1000種
ほぼ全世界に広く分布し、それだけ様々な種類のウイルスを持っていると考えられます。
また、コウモリは洞窟の中でいくつもの種類で集合して生活するため、異なる種類のコウモリにウイルスが広がりやすいとも言えます。

コウモリは寿命が5年から50年と他の小型の哺乳類より長く、ウイルスが存続するのに適しています。
また、空を飛べる唯一の哺乳類で、長距離を移動してウイルスを広い範囲に運ぶことができます。

これまで、ヒトや動物がコウモリと接触する機会は少なく、コウモリが保有するウイルスがヒトに感染する機会も限られていました。
しかし、近年森林伐採や自然破壊でコウモリの生息域が狭められ、コウモリとヒトや動物との接点が増えたことで、感染症が発生する可能性も高くなっているのです。

新型コロナウイルスやこの悲惨な事件のニュースから、
自然界に存在するウイルスの恐さを知りました。
感染症を防ぐため、今こそ自然環境を守り
野生動物との関係を見直さなくてはいけないのだと改めて感じました。

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